2014-06-18

トマトの苗木

 6月のある日、事務所に来てみたらトマトが植えてありました。利用者さんといっしょにやってみることを想定して、この「ミニトマト栽培セット」なるものを人づてに入手したとのことです。
 何人かの利用者さんに、いっしょに組み立てて苗木を植えてみませんかと提案してみたところ、関心は薄かったようで、職員が組み立てて植えていました。

 「関心があろうがなかろうが、なんでもやってみればいいじゃないの」なんて思われる方もいらっしゃるでしょう。でも例えば「必要性を強くは感じない」「ひきセンに来るだけでも大変」「いきなり言われてもそんなつもりじゃなかった」「植えたところでいったい誰が育てるのか」「っていうか植える意味が分からない」などなど、ひきこもり経験の有無に関わらず、私たちの周りにも同様の理由で関心を示さない方は大勢いらっしゃいます。私も、いきなりトマトを植えようと言われたら、断りそうな気がします。

 じゃあ逆に「必要性を感じる」「来ることが楽しい」「前々から分かっていた」「植えたあとに育てる人についても説明があった」「植えるとどういう意味があるのか見出せる」としたら、どうだったでしょうか。

 お願いを断られるというのは、家族であっても(あるいは家族だからこそ)嬉しい事象ではありません。断る側にしてもこれはもちろん同様です。「意味は分からないけど嫌々トマトを植えることができて良かった良かった」と締めくくることがベターだとも思えません。そうですよね?
 自分も相手もひとりの人間なのですから、まずは自分から相手に対して誠実でありたいなと、いつも思います。

 おいしいトマトが実ると、私はとっても嬉しいです。